こんにちは、shulinkです。
先日、ポレポレ東中野にて、
映画「人生フルーツ」を観てきました。
最初、まったく興味なかったんだけど、
さこりさんが面白そう~と言っていたので、
予告編を観てみると、なにやら、
うまそうな料理や、家庭菜園で何十種類もの
野菜や果物をつくっている風景が映っていて、
これは観てみたいと思った次第です。
ポレポレ東中野には初めて行きました、
さこりさんと一緒に。
朝から雨の日曜でしたが、
オープン前から20人くらい並んでいて、
通路にも座席を用意するほどの満席でした。
■あらすじ
この映画は、ドキュメンタリーです。
だから、あらすじというのも変ですが、
長年連れ添った夫婦の暮らしの日常風景を
淡々と映しているだけです。
夫、修一さん90歳。
妻、英子さん87歳。
夫婦の家は、愛知県春日井市の、
高蔵寺ニュータウンの一隅にある、
雑木林に囲まれた一軒の平屋です。
ここで、70種の野菜と50種の果実を
育ていて、美味しそうな実がなってます。
それらが料理として出てくると、
これまた、うまそうなんです。
こういう生活は憧れなので、羨ましい!
この家や菜園をつくるのに、どれだけの
時間がかかったのだろう?
現役!の建築家である修一さんは、
1960年代には、都市計画に携わって
いました。当時、自然との共生を目指した、
ニュータウンを計画しましたが、
経済優先の時代には許されず、
完成したのは、無機質な大規模団地でした。
それから、50年かけて、
自分たちの理想を実現するためでしょうか、
家を建て、雑木林を育て始めたそうです。
■良かった点
夫婦の関係が仲睦まじい様子で描かれて
いますが、2人べったりというわけではなく、
それぞれ自立している感じでした。
それは、2人の朝食にも表れていて、
夫は和食(ごはん)、妻はパンと別々です。
何度も朝食シーンが出てくるけど、
一度も同じもの食べていなかったです。
菜園で実る果実を丁寧に描いていて、
それを収穫し、ジャムとか梅干しとか保存食を
作るシーンもあって、こういう手仕事を見ると、
いいな~と思うと同時に、うまそう~
ありふれた言い方ですけど、
四季折々の風景が季節の野菜や果物と
一緒に楽しむのって、いいですよね。
普段は、スーパーで食べ物を買う時しか見ないけど、
当たり前だけど、畑や田んぼで実っていることを思い出させます。
子供の頃、ちょっとは、そういう環境で育ったので、
その環境を少しは取り戻した方が良いのかなと思います。
イチゴって、今は冬にスーパーで、
キレイにパック詰めされたものしか見なくなったけど、
ほんとは、初夏が旬で、子供の頃は、
その時期によく採れたての、
ちょっと青くて固いイチゴを食べてました。
あの素朴な味が懐かしい~
修一さんの最後の仕事は、とある精神病院の設計でした。
「患者たちが人間らしく暮らせるように」という依頼でした。
修一さんは、人生の最後で良い仕事に巡り会ったと語ってました。
理想を高々と語るのは現実的じゃないけど、理想は捨てずに、
いつか実現してやるという執念は持ち続けようと思ってます。
そして、修一さんの最後の時が訪れます。
いつものように庭仕事の後に昼寝をしていたら、
そのまま亡くなりました、静かに・・・とても穏やかな最後でした。
死というものを遠ざけずに、
ドキュメンタリーで、ここまで映すのか!と驚きでした。
今は、病院で死ぬことが当たり前の社会になってしまいましたが、
そんな中、自宅で、穏やかに息を引き取るというのは、
それだけで幸運のような気がします。
■もっと知りたいと思ったこと
この2人の生活は、いくらかかっているのだろう?
いきなり下世話な話になっちゃいますが・・・
年金が月32万ということが語られていましたが、
かなりの額だな~と思います。
野菜とかは自給のようですが、
かなり広い家を維持するための費用もかかりそうです。
この平屋の間取りとか、雑木林の利点とか、
どのように快適な暮らしなのかという説明が
もう少しあればと思いました。
■考えたこと
エンドロールがすごく短かったです。
映画なので、作りものなのですが、
それだけ関わっているスタッフが少ない
のでしょう。よくある、エコとか共生とか、
そういう作り手の勝手なメッセージを前面に
押し出していないです。もうそんなことは、
みんな分かっているし、作りものを見せられても、
現実を生きるのには役に立たないのだと思います。
ファンタジーやアニメーションも好きですけどね・・・
菜園と雑木林のある暮らしを手に入れるために何から始めようか?
以前から、ダーチャ(ロシアの、菜園付き別荘のこと)
が欲しいと思っていたけど、いきなりそれは無理だから、
小さい畑を借りて、どんな土地でも育つという
サツマイモを植えようか?
それから、ガーデニングが趣味の母親にも協力してもらい、
この菜園付きの家を建てる仕事に参加してもらおうか?
修一さんは、妻、英子さんのことを、
「ガールフレンド」と語っていましたが、
そういう存在と共に作っていきたいと思います、
コツコツ、ゆっくり・・・
今週のフルーツは、りんご。
品種はジョナゴールドです。
当たり外れがありますが、
酸味があるのがお気に入りです。
人生も、甘いだけより、酸っぱいことが
多い方が味わい深いのでは?
と思う今日この頃・・・
では、また~