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夏休みの読書感想文『不思議の国のアリス』

こんにちは、shulinkです。

 

「夏が過ぎ、風あざみぃ~」

夏休み気分も遠い昔のようです。

 

最近は、夏休みの宿題がネットで売っているそうですが、

お金で買えるような宿題を出す教師が間違っていると思います。

一律ではなく、個々人に合った、それぞれの課題を与えるべき

だと思います。

ボクは夏休みの宿題を最終日に慌ててするタイプでした。

さこりさんは夏休みに入ったら、すぐに取り掛かる優等生~

宿題の中でも、読書感想文は昔から苦手で、本を読むのも苦手。

なので、「感想なんか特にありません」という感想しかないし、

白紙の原稿用紙を前にして、ただ字を埋める作業くらいにしか

思ってないから、段落を変えて余白ができると、

「やったー!15文字稼げたぞー」という感じでした。。。

今にして振り返ると、本を読むことも、文章を書くことも、

もっと子供の頃からやっておけば良かったなぁと思います。

 

さて、童心に帰って、本棚から昔の本を引っ張り出してきて、

不思議の国のアリス』を読んだので感想文を書いてみました。

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読んだのは、この集英社文庫北村太郎の訳で、

ネットで拾ってきた原書『Alice's adventures in Wonderland』も

少し参考にしながら。

 

まず、第1章「ウサギの穴」で、

目の前を駆けていったウサギが穴に入り、主人公のアリスも迷わず

穴に飛び込むことから物語は始まるのだけど、

穴があったら入りたいか?と自問自答してみると、今だったら絶対

に入らないだろうし、自分が子供の時でも入らないだろうと思う。

だから、退屈な日常を送っているんだね~

 

第6章「ブタとコショウ」で出てきた、公爵夫人のセリフがいい。

「みんながじぶんのすることに気をつけて、よけいなおせっかいを

 しなけりゃ、世界はいまよりずーっと速くまわっていくものさ」

このセリフ、原書の英文では以下のようになってます。

"If everybody minded their own business,

 the world would go round a deal faster than it does."

さらに、第9章「ニセウミガメの話」では、アリスがこのセリフ

を言い換えてます。

「みんなが他人のおせっかいをやかなきゃ万事うまくいくって!」

英文では以下のようになります。

"it's done by everybody minding their own business!"

このセリフの直前に、公爵夫人が

「おう、愛があるから世界はうまくまわるのだ!」

("Oh, 'tis love, 'tis love, that makes the world go round!")

と言って、アリスのセリフと同じ意味だという。この箇所は

皮肉なのかな?普通に考えると、愛とはおせっかいをやくものだ

と思うけど、愛があれば他人のことに干渉しないで見守ることが

できるという意味なのかな?

昨年、「~ファースト」というフレーズが流行りましたが、

本家の「America First」が自国の問題を優先して、他国に干渉

しないようになって、世界が平和になるといいですね。

ちなみに、先の英文に出てきた「'tis」とは「it is」の短縮形で

詩の中で使われたり、現在では用いられない古い表現です。

そうすると、「It is ~ that」の強調構文が見えてきますね。

 

第11章「だれがパイを盗んだか?」

盗まれたパイをめぐる裁判の場面で、法廷を描いた挿絵が

載っているけど、パイに見えないから、原書を読んでみると、

「tarts(タルト)」と書いてあった。パイとタルトの違いが

気になったので調べてみると、

 ・パイは英語、タルトはフランス語

 ・パイは表面を生地で覆っていて具を包むもの

 ・タルトは生地が底だけで具をのせるもの

 ・ざっくりいうと、パイとタルトは形状の違い

ということでした。

 

さて、最後にまとめです。

この作品はノンセンス文学と言われますが、

不思議の国でアリスは、ケーキを食べたり、壜(びん)に

入ったものを飲んで、背が大きくなったり小さくなったり

非現実的なことが起こります。ただ次第に、アリスはこの

不思議の国のルールを理解し、キノコを使い分けて、自分の

身長を調節したりする賢さもあり、子供は自分なりに生きて

いくことができるということを感じさせてくれます。

この冒険はアリスの夢だったわけですが、その夢の話を聞いた

アリスの姉さんもアリスの冒険を想像することができたけど、

すぐに現実に戻されてしまうくらい大人になっていた。

古き良き子供時代だとよく分かっていたのだと思う。

大人の世界に取り込まれてしまう前の、子供時代くらい、

せめて夏休みくらい、宿題もせずに思いっきり遊んだらいい

のになぁと思います。

 

 

さてさて、夏が終わっていきますね~

というわけで、最後に一句、

「夏が過ぎ 遠くなれども 黄昏に

 キミの姿を しばしとどめむ」