こんにちは、shulinkです。
1月に福井県立美術館で
スタジオジブリ・レイアウト展を
観てきました。
来週の11日(日)まで開催中です。
この日は平日お昼頃だったので、お客さんも
10人前後でしたが、土日は混雑して、
ゆっくり観れないですよと学芸員さんが言ってました。
さて、どんな内容なのかというと、
作品を中心とした、アニメーション映画の
レイアウトが約1300点、展示されています。
このレイアウトとは、
一枚の紙に背景とキャラクターの位置関係、
動きの指示、カメラワークや撮影処理など、
そのカットで表現されるすべてを描いたもの。
絵コンテが映画における基本設計図なら、
レイアウトは詳細設計図になります。
映画の制作工程的には、
絵コンテ→レイアウト→原画・背景
→動画→撮影→音響となりますが、
この中のレイアウトだけを過去のジブリ作品
全て集めた展示です。
この全工程が観られる展示だったら、
どのようにアニメーションが作られているか
分かるのですが、それはありませんでした。
どこかワンシーンだけでも、そういう展示を
観たかったですね~
チケットとは別に、音声ガイドも買いましたが、
これがなかなかのボリュームがありました。
音声ガイドを聴きながら、レイアウトを観てたら、
2時間くらいかけても、時間が足りないくらい、
集中して観れました。
音声ガイドは、「千と千尋の神隠し」の
ジブリ社員2人が解説するというもの。
レイアウトは、鉛筆と色鉛筆で描かれていて、
これだけで絵になる、詳細なものです。
これが作品ではなく、作品を作るための設計図
なのに、詳細な絵にしなければならないのは
膨大な作業だと思います。
ちなみに、ワタクシもシステムエンジニアとして
日々、詳細な設計書を書いて、打ち合わせを繰り
返しています。そして、とにかく決まらないから、
書き進められないということが多いですね・・・
アニメーション映画というものは、"あやかし"。
と宮崎駿監督が語ってますが、
レイアウトでは、キャラクターやカメラが
どう動くのか?背景がどう見えるのか?
を設計して、うまく人間の眼をだますような
工夫がこのレイアウトに描き込まれるのです。
レイアウトを一枚の絵として見ると、
パースがおかしい時があります。
それは時間的変化を入れているから。
例えば、「天空の城ラピュタ」で、
パズーとシータがラピュタに着いて、
巨木を見上げるシーンがありますが、
この巨木を一枚のレイアウトで描いて、
木の上部の方をわざと歪ませています。
このようにして、見上げるという動作
(時間的変化)をした時、木が途方も
なく高いことを観客に感じさせる演出を
している。
ということが音声ガイドで聴けます。
また、レイアウトの展示以外にも、
こんなのがありました。
「千と千尋の神隠し」の湯屋にあった、
延々と続く壺の廊下とか
鏡を使って、うまくそのように見せている、
これも”あやかし”ですね。
トトロと一緒に記念撮影とかも、ありました。
レイアウトという絵は映画の設計図ですが、
鉛筆で描かれているから、線に強弱があって
散っているから、それが絵のエネルギーを
表現している感じが好きです。アニメーターが
描いた時の熱気みたいなものも感じられると
思います。
このレイアウト展で勉強したことを踏まえて、
いずれ、ジブリ作品1つ1つを語っていきたい
と思います。
では、また~