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養老孟司の本『半分生きて、半分死んでいる』を読んで考えたこと

こんにちは、shulinkです。

 

養老孟司の本『半分生きて、半分死んでいる』を読んで考えたことを書いていきます。

 

著者の主張には、以前から共感していました。

また、著者は脳科学に関する本を書いたり、TV番組で紹介したりもしていて、それら

にもよく接していました。改めて、最近の考えを読んでみて、自分に役立つことがある

かどうか探ってみました。

 

●現代人はスカウターの使い過ぎ

 銀行に行けば身分証を求められ、病院に行けば測定器具で計測されてから処置が始

まる。現在は情報化社会で、外界のものを情報として取り込んで、「意味に変換され

てしまう」ことが問題だと著者は主張しています。そして、その情報だけで判断して

しまい、現物から離れ、実体が分からなくなる。

 ボクはこのことを「現代人はスカウターの使い過ぎ」と表現しています。

スカウターについては、こちらの記事で。

isshukuippan.hatenablog.jp

 便利な生活に慣れると、身体や脳の使わない機能が増えます。生物は使わない機能は

省略していく傾向にあるので生活が痩せてしまう。これを解決するために、著者は長年

「平成の参勤交代」という、都市と田舎を行き来するようなライフスタイルを提案して

います。この提案を10年前くらいに知った時からやってみたいと思ってました。問題

は一年中、会社に行かなければならないこと。これが今の常識だからね。でも、昔は年

中オフィスで働いている方が珍しかったから、また未来には常識は変わるかも?

 

●本気のようで本気じゃない

 最近、タバコやアルコールを買う時に未成年ではないことを宣言するため、画面を

ピッと押さなければならない。誰もが馬鹿馬鹿しいと思っているだろうけど、法律で決

められたから仕方なくやっている感じ。誰が始めたのか?あのシステムを作った会社を

儲けさせるため?要するに、これは「言質を取って」いるんだと思う。

 最近、ボクの職場で帰宅時のチェックリストが始まった。

 ・机の引き出しに鍵はかけましたか?

 ・机の上に書類は放置していませんか?

小学生か!?

さらに、今月からオフィスに持ち込んではいけない携帯電話を持っていないかチェック

する、風紀委員みたいなのがうろつくらしい。関係ないけど、中学生の時には図書委員

として図書室の番をしてました。

 上記の例は、それぞれ、未成年の健康を守ったり、情報漏洩を防ぐことを目的にして

いたはずなのに、いつの間にか、小手先の手段になってしまって、そして、それを実施

したかどうかだけが大事で、トラブル発生時の責任をお客や社員に押し付けるために、

このチェックという作業があるのだと思う。だから、手段を目的にしてしてまって、当

初の目的を解決しようとしていないのではないか。

 

●人間と機械、どっちが大事なのよ!?

 デジカメによって、写真が手軽に撮れるようになって、写真が多過ぎて、整理できな

い状況になっている。さらに、写真はいっぱい撮ったけど、旅行の風景はさっぱり思い

出せないなんてこともある。それは体験よりも記録を重視しているから。ボクの場合、

ブログで旅行記を書く時に写真の整理もしながら、思い出を補完しているけど。

 「コンピュータなんて吹けば飛ぶようなもの」と著者は言うけど、スマホを手放せな

い現代人にはそんな風には思えないでしょう。それくらい仮想現実が現実になってしま

ったのでしょう。

 

●意識過剰

 意識で考えて、朝起きようとか、健康になろうとか、考えても無駄と言われると、

当たり前なんだけど、なるほどなと思う。それくらい現代人が自分の身体と心をコント

ロールしていると思い込んでいる。

 著者が聞いた医者の体験談を紹介していた。ある老夫婦のお婆さんが臨終を迎えた

時、お爺さんが凝っていた「気」の研究を試そうと医者の了解を得て、お婆さんに気合

いをかけたら、気合いをかけたお爺さんの方が心筋梗塞を起こして亡くなった。最初、

これを読んだ時、くすっと笑ってしまったけど、もう一度読むと、ホロリとした。微笑

ましい光景に思えた。意図しなかったかもしれないけど、長年連れ添った二人は同日に

ほぼ同時刻に亡くなったのだから。摩訶不思議な人生だなと。

 人生なるようにしかならないんだから、あまり計画的に考えても仕方ないと思う。最

近は1年以上先のことは考えなくなった。そして、今やりたいことを未来にとっておか

ずに今やるようにしようと思うようになった。

 

この本を読んで、大きく考えが変わったわけではないけど、以前から考えていたことを

補強できたと思います。

 

では、また~